タマシイノモリ
「タマシイノモリ」異端者
Morijin
タイトルをクリックでDLページに飛びます。
序盤から緊迫したシーンが多数あります。
『引用含む説明』
"理由がある"アウトドア・ホラー
初出:コンパクWeb2007SUMMER 銅賞受賞作品
マルチエンドのサウンドノベルです。
全てには”理由”がある…
”理由のある”ことにこだわったSFホラー
・ストーリー
現代(日本?)を舞台として、とある山奥に迷い込んだ少年少女の物語です。途中、謎の存在に襲撃されて、二人は必死に脱出を試みますが…従来の「箱モノ」(洋館や校舎等)ホラーと異なり、閉塞感の無いストーリー展開となっています。
・システム
アドベンチャーゲームの制作に適した「吉里吉里」によって作られている為、途中からやり直してもあまりストレスなくプレイできるつくりとなっています。マウスのみでプレイでき、テキストを読み進めて時折現れる選択肢を選ぶだけです。ゲーム自体はそれほど難しくないので、たいていの人は簡単にクリアできます。
・演出、雰囲気
このゲームはキャラクターの絵などは一切無く、三重県の山の背景画像と縦書きの文章、時々入るBGMと効果音で構成されています。その為、最初はとっつきにくい所もありますが、派手さやコミカルな演出が無いので落ち着いてプレイできます。
・その他
二人の主人公が場面によって入れ替わるので、それによって視点が変わります。慣れないうちは分かりにくいかもしれませんが、効果音が入って瞬時にブラックアウトする時がそうです。
4章構成(LOST1~4)、総プレイ時間2時間半程度ですが、ストーリーが進行するにつれてキャラクターの説明やエンディングリストが追加されます。
グロ表現がありますので苦手な方はご注意下さい。
『見所』
序盤から緊迫したシーンが多く引き込まれやすいです。
その緊迫した場面は巧みな描写で読み手を夢中にさせます。
レベルが高い、かなり読ませる文章です。
視点変更がいい具合にアクセントをつけてます。
背景画像は作者さん自作で全てオリジナルです。
緊迫した中での、ほのぼのとしたヒトコマ。
☆彷徨えるタマシイ達
導入部から大きな動きがあり、テンポよく進むのですぐにのめり込めます。まずここがすごくよかったですね。退屈な日常シーンの描写などはなく最初から緊迫したシーンが連続して展開されるので目が離せなくなるんです。文章も上手く、続きが気になるストーリーだったので私は一気に読破しました。ユーザーを惹きつける大切な要素である”掴み”というのは成功している作品だと思います。選択肢も多いし、いいタイミングで視点が変わるので適度な刺激があってダレるということはありませんでした。この辺の演出、読ませ方はすごくよかったです。後半は専門用語がけっこう出てきますが、ある程度知識があるなら理解できるのでご安心ください。
居場所がないという少女。その理由とは。
背景はすべて作者さんのオリジナルらしく、こういうのってなんかいいんですよね。作者さんの自作品に対する愛情が伝わってくるみたいな。私は三枚目の水辺の写真がけっこう好きでした。登場人物のキャラ造詣はなかなか興味深く、主人公への感情移入は難しいかもしれませんが、社会から白眼視されるような異分子に嫌悪感がなければ楽しめると思います。あとは説明文にある通りグロ要素、ちょっと猟奇的な部分があるのでそこに極度の嫌悪感がなければおそらく大丈夫かと。色んな意味で生き残るとはどういうことなのかを考えさせられる内容で、単なるサバイバルゲームではありません。深みのあるテーマと共に物語を楽しんでみて下さい。
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