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死に至る病

「死に至る病」 西 邑倖

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食糧難の時代、倫理も崩壊していきます。

『引用含む説明』
EDは十種類で一周は2時間~2時間半程。
立ち絵はありません。
サスペンス系のサウンドノベルゲーム
暴動、収監、そして病院へ──。
食料難の世の中。仲間達とスーパーを襲撃して食いつないでいる少年ナオ。
ある日の襲撃後から全てが変わった。
狂い始めた価値観とルールを失った社会。閉鎖的な病院の中で突然息絶える人々。
いったい何が起こっているのか。
波に呑まれながら、必死にもがくナオが迎える結末とは。
恋愛要素ありのサスペンス。選択肢により十種類のエンディングに分かれます。全てのエンディングをクリアすると、ほんのオマケ程度ですが、ショートショートをお読み頂けます。

[注意]
若干の性的描写があり、またグロテスクな表現も含まれるので、高校生以上を推奨しています。苦手な方はご注意下さい。全体的に暴力的要素が強いですが、そういったものを賛美・推奨する内容ではありません。


『見所』
単純な勧善懲悪ではなく、シナリオは深いです。
謎解き要素もあり、先の読めない驚愕の展開が待ち受けます。
テンポのよい巧みな文章はお見事で、選曲にもセンスを感じます。
豊富なマルチEDによるユーザーへの配慮も嬉しいです。

悪夢は繰り返されるのか。※ネタバレ防止のため文字を加工してあります。

☆市販品を凌駕する完成度
市販品レベルです。いや、そこらの市販品など軽く凌駕する程のクオリティです。私はフリーゲームの中では唯一、お金払ってでも読みたいと思った程の作品ですね。何かの賞を取ってるのですが、単行本化されててもおかしくないレベルです。ただ、多様な価値観を受け止める事の出来る懐の深い大人じゃないと、読むのは辛い部分もあります(そこが単行本化されない所以なのでしょうね)。内容は非常に考えさせられる作品となっております。食糧難の時代、人々のモラルが低下して犯罪率が増加する、その現状をどう解決するか、どう生きればいいのか、生きるべきなのか、何が幸せなのか・・・などなど、読み手に投げかけられるテーマは多岐に渡ります。自分ならこうすると言っても、極限状態で自分がどうなるかなんて滅多にわかるものじゃありません。結局、その状況になってみないとわからないんでしょうね。物語はそんなギリギリの描写が多々あり、プレイヤーは怒涛の展開にただ翻弄される事になります。

ほのぼのENDもあります。

この作品の最大のウリはやはり何と言ってもシナリオですね。ここまで深いシナリオは市販品でも滅多にお目にかかれません。有償無償問わず様々なゲームをやってきた私ですが、ここまでレベルの高いシナリオを読んだのは初めてでした。肩を並べることが出来るとすれば小説という媒体だと思います。例えるなら一流のショートショート作品のアイディアをサスペンス仕立てで長編に仕上げた、といった感じでしょうか。グロ表現などから一般受けはしないと思われますが、グロが平気でウツENDを楽しめる人ならかなりの確率で楽しめるはずです。軽薄なゲームは飽きたという方は是非この濃密なシナリオを堪能してみて下さい。

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