TRUE REMEMBRANCE
「TRUE REMEMBRANCE」
TRUE REMEMBRANCE
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オセロに興じる二人。日常風景も読んでて楽しいです。
『引用含む説明』
白い街での青年と少女の日常を描いたオリジナルノベル
選択肢なしの一本道ノベル。
プレイ時間は3~4時間ぐらいです。
忘れたいほど悲しい記憶を持った人々が訪れる、白い街。
その街で記憶を封じる職業、『封士』を生業にする青年・黒目。
黒目のもとを客としてラという少女が訪れる。
一人称視点で進む分岐なしのノベルです。
『見所』
物語の底流にある温かみがとても心地良いです。
繊細で切ない雰囲気が上手く出ています。
最後に明かされる謎がけっこう驚きます。
優しいタッチの絵柄がとても和みます。
二人の関係がどう変わるのかも見所です。
☆優しい記憶の物語
人は誰しも忘れたい記憶というものがあるものだと思います。本作はそういった多くの人が思う願望をテーマにした作品です。物語は封士である黒目の元に患者であるラがやってきたところから始まり、この二人を軸に様々なキャラが絡んできて、ある謎が明かされていくという構成になってます。視点変更もあり、魅力的な人物も多いので淡々とした雰囲気なのだけど話は賑やかというか、謎もあってストーリーは面白いです。私が好きなのはメインである、黒目とラのやり取りですね。主治医と患者ではあるけど、親と子供のようでもあり、男と女でもあり、多面的な関係性がもたらす微妙な距離感や、それが縮まっていく様子がとても楽しく読めました。影のある黒目はカッコいいし、照れたりするラは可愛いです。キャラの描写がとても魅力的というのも本作の長所の一つなのだと思います。
この絵、すごく好きです。眺めていたくなりますね。
私が思う本作のウリはなんといっても独特の雰囲気ですね。暗さがあるのだけど、リアルではない架空のファンタジー世界を舞台にする事で幻想的な味が出て、暗さがもたらす鬱屈感を上手く薄めてると思いました。加えて物語には常に温かい優しさが流れてるので、触れ続けるのがとても気持ちよく感じられるんですよね。これは理屈じゃなく感覚的なものに近いです。芸術作品と似ていて、わからない人はピンときませんが、わかる人にはなんかいいなあ・・・と感じられる性質のものなんだと思います。もし、それがわからなくとも、物語全体に溢れる優しさは感じられるはずだし、ストーリーも面白いです。ひたすら字面を追うのではなく、穏やかな気分の時にゆっくりと読み進めるのが私が推奨する遊び方です。
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