小さな記事の裏側
「小さな記事の裏側」空と雲と風
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※この作品は短編詰め合わせです。
今回はその中から「消えゆく小鳥」と「青空の自由」の紹介です。
喫茶店で短いお話を聞くという形式になってます。喫茶店では男女一人ずつの店員さんがいます。
『引用含む説明』
一つの話で30分ほどの一本道ノベル。
※ゲーム内には複数本の話が入ってます。
今回は「消えゆく小鳥」と「青空の自由」についてのみの紹介です。
小さな記事の裏側にも、様々な物語があるのです。
ここは隠れた名店「小さな記事の裏側」
そこで語られる、小さな小さな物語。
たった数行の記事の裏側にも、そこには確かに人の気持ちが存在していたのです。
※第2話には一部成人向け要素が、第3話は差別用語に感じる言葉が含まれますので、その事を納得の上、自己責任にてお読み下さい。決して性的興奮や差別を意図したものではなく、あくまで物語上での重要な演出なのですが、そのことに嫌悪される方は、あらかじめ読まないことをお願いしておきます。
『見所』
ひばりが心情を明かすシーンは切なくて胸がきゅーとなります。
自立や差別意識などテーマは重く、色々考えさせられます。
そのテーマをより際立たせるエピソードの作り方が上手いです。
スチルが美麗で演出も素晴らしいです。
こんなセリフ聞かされたら泣けてきますね・・・。
☆タブーに踏み込んだ意欲作
本作品は自立や障害者差別を扱っています。普通は障害者差別というとお涙頂戴の感動話や苦労はあるけど頑張ってるんだという、とにもかくにも希望があるんだという結論になりがちです。が、この作品はインチキ臭い救いなど排し、障害者のリアルな姿や健常者の赤裸々な差別意識などをバッサリと切り取っています。すごいです。この点だけでも大きく評価したいですね。
月に照らされる中でひっそりと佇む図。管理人お気に入りのシーンです。
このゲームをやってて一番心に響いてきたのはやはり、ひばりのセリフですね。多くの健常者は障害者と深く付き合った事はないと思います。私もありません。なので障害者がリアルでは何を考えどんな事を感じてるのかほとんどわからないし、知る機会もあまりないんですよね。でもこのゲームでは「ああ、なるほど、こういう感覚なのか」というのを知る一助になってます。「それを認めて?」というひばりのセリフはかなりグッときました。文章、音楽、演出、どれをとっても一級品だと思います。切ない雰囲気が好きというかたは是非プレイして欲しい作品です。
外伝では問題の一つの答えが示されます。
青空の自由では、消えゆく小鳥で問いかけられた問題の一つの答えが示されます。ハッピーエンドかどうかは、私には判別できません。ただ、鳥かごを拒否して懸命に生きようとするひばりの姿は健気でいじらしかったし、ひばり本人は最後まで前向きなので、これはこれで幸せなのかもしれないなとは思いました。バッドエンドと感じる人も多そうですが・・・。いずれにしても、両作品で示される命題は多岐に渡ってます。が、説教臭さはありませんので自分で答えを考えるも良し、雰囲気も楽しむのも良しな作品です。難しいテーマを上質な物語に仕上げた作者さんの腕と着眼点には改めて賛辞を送りたいと思います。
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